まれに見る迷走台風となった台風第16号。過去にも沖縄近海を迷走した台風はあるが、発生から遠ざかるまで常に影響を与えた台風は初めてである。
 今回の第16号は本島横断が2回、長時間停滞、旋回、Uターンなど沖縄本島を中心に8日間も迷走しながら勢力を強めるなど極めて特異な動きをした。沖縄気象台は、観測史上(1950年)最も難解な動きをした台風だと位置づけた。
 台風第16号は宮古島近海で発生し、大陸から張り出したチベット高気圧と太平洋高気圧に囲まれ行く手を阻まれた上に、台風を押し流す偏西風の流れがなく迷走、停滞した。また、本島近海の海水温度は平年より0・5度から1度高かったことが要因となり、非常に強い勢力に発達した。

地元紙などより引用・補筆

台風16号経路図