ウィルスの種類にはどんなものがあるの?

 前頁に記したウィルスの症状について更に詳しく説明すると、コメントや画像の表示で終わるような軽い症状からディスクの破壊(といっても爆発・発火などの物理的な作用ではなく、保存していたファイルが全て消去されるなど)や修理に出さないと治らないほどの悪質なものまであります。

 例えば最近、世間を騒がせた「VBS_LOVELETTER」は、Visual Basic Script で記述されたワームです。Microsoft Outlookを利用してワームプログラム自身をメールアドレスに自動的に送信し感染を拡大していきます。2000年5月4日に感染被害が確認され、現在非常に早いスピードで被害を広げています。

「VBS_LOVELETTER」は次のようなものです。

1.
名: ILOVEYOU.
本文: kindly check the attached LOVELETTER coming from me. 
(日本語訳:私からのラブレターです。どうぞ読んでみて下さい)

※クリックで拡大
図2.LOVELETTER

.
 もっとも有名なIRC(インターネットリレイチャット)クライアントプログラムのmIRCがマシンにインストールされていた場合、mIRCのScript.INIを書き換えます。この改変されたmIRCを使用すると、同じチャットルームに参加しているユーザすべてに対し、“LOVE-LETTER-FOR-YOU.HTM”とうファイル名のワームプログラム自身を自動的に送信してしまいます。

3.
 下の拡張子を持つファイルを検索し、見つけるとこのファイルをワームのウイルスコードを保存したもので置き換えます。さらにファイル名を「オリジナルファイル名+オリジナル拡張子」+ .VBS という名前に変更します。このように“感染”されたファイルはすべて破壊され、オリジナルファイルを復元することはできません。

.vbs、.vbe、.js、.jse、.css、.wsh、.sct、.hta、.jpg、.jpeg、.mp3、.mp2

 このウィルスは、添付されたこのLOVE-LETTER-FOR-YOU.TXT.vbsを実行せずに削除してしまえば感染せずに済みます。が、万一感染した場合には、その確認方法及び駆除方法が「情報処理振興事業協会(略称:IPA)セキュリティセンター」のホームページ*にありますので参照して下さい。

 このウィルスは電子メールの仕組みを利用した新種で、電子メール情報が多用する現代社会においては、この種のウィルスは非常に蔓延しやすく被害も増大します。これはほんの一例に過ぎないので、電子メールと一緒に送られた添付ファイルは、いくら親しい人からだと言えども決して安全とは限りません。特に、後述する新種の「マクロウィルス」は現在最もポピュラーなウィルスなので、どのようなものでも添付ファイルを開く場合は「覚悟」を決めて下さい。
 ウィルスの種類としては、その作者の都合のいいように巧妙に作られ、次項の様なものがあります。いずれも、被害レベルの広い範囲で数多く存在します。

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